除染をしても事故前には戻らない

除染をしても事故前には戻らない

幼い我が子が被曝する不安に耐えられず、故郷を離れて移住する母親たちが後を絶たない。
父親を除いた母子避難だ。
子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク、の情報発信。
関西ネットワークとして神戸で開かれた、その講演を聞きました。

レジュメと一緒に渡された名刺、福島県福島市と書かれています。
被災地よりこちら側にいるものが、発信しなければいけないのです、数多くのことを。
知りたいことが山とありますが、新聞がメディアが伝えてくれません。

福島市の中心部にある高校の教諭をされている、講演者の生情報を得ました。
関西で4回目となる講演とのこと。
聴衆が得た情報は、第三者に伝えるべきか否か慎重に配慮する必要があると注意をもらう。
いわゆるニュースソースの問題だろう。

福島に住んでいて、すべての住民がひとつの意見に集約されていない。
他県に移住しようと思ってみても、自分の家族の意見として貫けない。
家族内でも妻と夫の意見が、異なる場合があるという。
子供を連れ他県に移住し、福島県に夫が留まるというケースである。
家を斡旋してもらっても、就職ができない移住先・県では動きようがない、この国のどこへ行っても働き口は容易ではない。
卒業をした若者でさえ、就職先が見つからないというご時世である。
被災先の話を教えてもらい、いまこそ国民が総出で何らかの動きを起こさなければ、この国は動かないのではないか?

大人が移住すべきかどうか、迷っている間、子供たちに何ができるか?
子供たちに、本当のことが伝わっているかどうか、それを誰が探ることができるか?

ひととおり講演者の意見を聞き終わって、最後に映像を見ます。
5年生になった生徒による、発表会のビデオがありました。
この生徒の呼びかけで、講演者は泣いてしまったと云われました。

>僕たちは、何も悪いことをしていないのに・・・
 あの日から、時間が止まってしまった。
 こんな福島に、私たちはしたい。
 未来の福島は、
 震災や災害に負けない、福島。
 笑顔のあふれる、福島。
 世界に誇れる、平和な 福島。
61行のセリフが、続きます。

セリフを聞くうちに、これが本当に彼らの言いたいことなのか?
福島に留まることが、子供たちにとって一番いいことだといえるかどうか?

家族を分断させても、被災者の支援が果たせない国。
この国からいつか我々が、同じ目に立たされます。
それを考えさせるに、格好の材料のようです。
主な原因は、勤める場所がないということ。