悲しみのミルク

 悲しみのミルク   2008年  ペルー

 THE MILK OF SORROW


 監督 クラウディア・リョサ

 出演 マガリ・ソリエル

    スシ・サンチェス

    エフライン・ソリス

    マリノ・バリョン







  
 「あまりの苦しみにわたしは叫んだ、いっそのこと殺してほしい、

  そして夫と一緒に埋めるがいい」

  南米ペルーの貧しい村で、ひとりの老女が息を引き取る間際に

  娘に託した歌――




  それは身ごもりながら凌辱され、夫を殺された壮絶な過去を

  物語る。

  残された娘、ファウスタはメイドの仕事を始める。





   
 






  http://www.youtube.com/watch?v=xynzESVf6hE















笑顔と見栄えのいい風景が、どこにも見られない。

  なんと重苦しい映画。







  見たこともない風景を、映画で観る。

  大きい画像でもって、写されているものがない。

  私有地か、公有地か、見た目でわからない。






  この国を旅してみたい、その気持ちがした。

  頂まで長い階段を歩く、その階段に手すりがない。

  長い階段の中継点・交差する場所が見えない。

  妊婦がその階段を降りる際、ためらう急な坂。







  手すりが設けられていない、その階段は珍しい。

  まるで外へ歩くのを、拒み続けるためのものか。

  危険そのもの。







  遺体を埋葬する。

  そこに焦点が当てられていると感じた。

  最初から最後まで、埋葬に経済をみている。

  貧困、極貧そのものを描いている。